健康な歯で長生きする
日本人の平均寿命は年々伸びて100歳以上の方は昔は珍しいと言われていましたが最近では100歳以上の方も随分とおられ特に珍しくも無くなりました。そして世界的にも日本は長寿国だと言われています。
その長寿国と言われている日本に住むお年寄りは一体どれ位自分の歯で食事をしているのかと言えば少し疑問に感じます。
私は現代、老人福祉施設に事務職で勤務していますが利用されているお年寄りの大半は総入れ歯で中には全く入れ歯さえも入れずに歯の無い状態のままで過ごされている方がいらっしゃいます。
その為に食事は細かく刻んだ物やペースト状になった物でメニューが焼き魚であっても刻んだ物ならまだしもペースト状の物は一体どうなのでしょう？
と考えさせられる時があります。
そして口から食事を摂取できなくなった人は注入食や流動食を自分の意志とは関係なく生命を維持するためだけに看護師の手によって強制的に体内に入れられると言う現状に言い方は大変悪いのですが食べる事の楽しみを失ってまで生きる意味があるのかとさえ思う時があります。
きっと私が健康だからそう思うのかも知れませんが私自身の老後を考えると複雑な心境となってしまいます。
現代のお年寄りが子供の頃や若かった頃は現代の様に歯の健康が問われる時代でもなく戦後の厳しい時代を生き抜いて来た方たちだから歯の健康を気遣う余裕は無かったように思えます。
将来的には老後も健康な歯で長生きされるお年寄りが増える事を願っていて私もそうありたいと思っています。
私が勤務する老人福祉施設では最近口腔ケアが盛んに言われるようになりました。
注入食の方などは直接口から食べると言う事はありませんが口の中には食べ物を口にしなくても細菌は多く存在して繁殖しています。
その為に定期的に口腔ケア用品で口の中を常に清潔に保つように工夫をしています。
中には定期的に歯科衛生士が施設を訪問して利用されている方の口腔ケアの指導を行っている施設もあるようですが費用的な面を考えると結構難しいようで私が知る限り歯科衛生士を招いて本格的な口腔ケアをしている老人福祉施設はごく僅かです。
老人福祉施設には必ず嘱託医がいるにも関わらず歯科医がいないのは残念な事でもあります。
50歳を過ぎた私には手遅れかも知れませんが現代の若者や子供達には健康な歯で長生きして頂きたいと願っています。
その為に子供の頃から、そして若い頃から体と同じ様に歯の健康にも気遣って一生自分の歯で美味しく食事ができる事を祈るしかありません。
健康な体は健康な歯から生まれると言う事です。